【借金の記録 十一日目】借金が生まれた日
2018年1月13日。
私は、初めての大勝負を試み、そして負けた。
こんにちは。かばです。
さて、昨日の続きです。
引っ越し費用の支払いを終え、いよいよ夫婦としてともに生活する日が近づく中、相も変わらず私の貯金は”ゼロ”であった。
12月。
週末は競馬にのめりこむ日々。
12月17日。限界が来た。
手持ちが、ゼロになってしまった。
しかしその日には、どうしても大金を賭けたい馬がいた。
その馬は、クリアザトラック。
https://umanity.jp/racedata/db/horse_top.php?code=2014105897より引用
デビュー時から逸材と称され、クラシックレースには縁がなかったものの、堅実な走りを見せる馬で、前走は同距離で1着と差のない2着に終わった馬。
出走するレースを見ると、前に行く馬が少なく、脚質的にも3着以内に来る確率は高いと見繕っていた。
しかし、賭けるお金がない。
「借金するしかない」
私は、クレジットで借金をしていた当時とは違い、初めて消費者金融にネットで申し込みを行った。
A社の申し込み事項を記入し、ベッドの上で連絡を待った。
すぐに、携帯の電話が鳴る。
「お申込みありがとうございます。数点確認させていただいてよろしいでしょうか。」
初めての経験に、ドキドキが止まらない。
「融資希望が30万となっていますが、お客様の場合ですと50万まで融資可能ですが、いかがでしょうか。」
考えた。
30万という数字に、根拠はない。
なら限度額まで契約しても問題ないか。
そうして、50万の融資が可決されたとのメールが届いた。
その後、無人店舗に赴き、キャッシュカードが発行された。
あっという間に、50万を借りられるカードが、できてしまった。
「まぁいいや。今日30万分賭けて、勝ってそのまま解約したらいいねんから。」
併設されたATMから、30万が出てきた。
このまま、ウインズに向かう。
向かう道中は、気分がよかった。
絶対に勝てるし、お金もある程度確保できる。勝ち額をさらに増やせるように冷静にいこう。
こんな甘い考えをしながら、ウインズに向かう。
到着し、レース締め切りまでオッズの動向を眺める。
予想していたよりも、オッズはつかなさそうだ。つまり、大勢の人が支持している。
私の考えを、支持しているのだ。そんなことを考え、複勝に30万を投入した。
「あとは複勝がどれだけつくかやな。」
ご存じではない方に補足ですが、複勝は3着以内に入った馬の人気によって、オッズが変わります。
例えば、賭けていた馬のオッズが、「1.3~3.5」というオッズになっていたとします。
そのレースで、人気をしている馬が3着以内を占めると、「1.3倍」に近いオッズで払い戻しが発生しますが、人気馬が全て敗れた場合は「3.5倍」に近いオッズで払い戻しが発生します。
この妙味が、複勝の購入意欲を高めるものだと思っております。
レース発走が近づくにつれ、心臓の鼓動が早くなり、身震いする。
阪神第10R 元町ステークス。
ファンファーレが鳴り、クリアザトラックがゲートに収まる。
ゲートが開いた。
スタートはまずまず。しかし福永騎手は、前に行くよう、促さない。
冷汗が出る。
レースは淡々とした流れで進んでいく。
時折、頭を上げながら行きたがる素振りも見られた。
「いや、馬券内に来ないなんてことはないやろ。」
最後の直線。
クリアザトラックは、大外から伸びてくる。
よしよし、なんとか3着は確保できそうやな。
しかし、前でレースを進めていた馬が、粘る。
そして、クリアザトラックの更に外から猛烈な勢いで伸びる馬もいる。
「3着!3着!差せ!差せ!!」
その時、内から猛烈な伸びを見せた馬が現れた。
まったく人気のなかった、伏兵馬。
ゴールした瞬間、強烈な汗が噴き出してきた。
同時に、寒気がした。
どんな空間?暑くて寒い?意味がわからない。
わずか数分で、30万を失った。
茫然自失。
その後、言葉にならない言葉を叫び、ウインズを後にした。
ふと我に返り、思い出した。
「まだ20万あるじゃないか」
すぐにコンビニのATMに駆け込み、ネット投票用口座に振り込んだ。
絶対今日勝って解約するんだ。ここから借金持ちなんてあり得ない。
その日、私は50万の借金を負うことに、なった。
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