犬と人間の絆!涙なしでは見ることができない「少年と犬」
こんにちは。かばです。
今年はコロナの影響(それだけではありませんが・・・)で夏らしいことができずに終わってしまったので、なにかないか考えていたところ、はてなブログの【今週のお題「読書感想文」】にて、読書感想文がテーマにあがっていましたので、ちょうど読み終えた本があったことから投稿させていただきます。
私が紹介する本は、馳星周さんの「少年と犬」です。
こちらの本を読むまで、失礼ながら馳さんのことは存じ上げておりませんでした。
しかしながら、「不夜城」や「アンタッチャブル」など度々直木賞候補に挙げられる凄い方でした・・・
それでは、「少年と犬」の感想に移ります。
あらすじ
2013年に発生した東日本大震災後の宮城県にて悪行を行う雇用主のサポートをし、細々と食い繋ぐ和正は、立ち寄ったスーパーにて、シェパードによく似た雑種の犬を見つける。首輪には「多聞」の文字が。小汚い犬を連れて行こうか迷う和正だが、多聞の意志の強い瞳に魅入られ、ともに暮らすことを決める。
多聞はよく躾けられており、飼い主の言うことをしっかりと聞き分けてくれる忠犬であり、和正が行う闇稼業にも大きな力となり、多額の報酬を手にする。そんな多聞にはある特徴があり、多聞は常に南の方角を向いていた。
ある日、和正はいつものように闇稼業を行っていたが、協力していた窃盗団が別の組織に嵌められ、和正は事故でなくなってしまう。
和正を失った多聞。多聞は、窃盗団の一員であったミゲルとともに移動することになる。南に向かって、進んでいく。まるで、なにかに導かれるように。
感想
涙なしで見られません。マジで。
犬を飼っていたので、この物語の登場人物が多聞と触れ合う描写に関しては共感しかありません。犬に限らず、動物との友情?物語が好きな人にはぜひおすすめしたい一冊です。
またこの物語は、多聞の飼い主が和正を含め、合計6人おります。
多聞と出会う前は、本文の中に「孤独の匂い」「死の匂い」といったフレーズが出てくることから、人生に幸福を見出すことができない、或いは絶望、達観している登場人物たち。
その6人それぞれに人生の葛藤を抱えながら生きているものの、多聞と出会い、寄り添い合い、前向きになっていきます。この多聞が寄り添って人間を励ます描写、たまりません。涙もろいところがありますが、それを除いてもほろりとするシーンがたくさん散りばめられています。
ただ、これはネタバレになるのですが、関わる人が様々な理由で亡くなっていきます。
まるで多聞が「生きたい」ように、「行きたい」ように、そして「逝きたいように」。神様がそうさせているかのように物語は進んでいきます。
そして南を向いている理由がわかった時、最後に出会う少年「光」と過ごす日々、そして「光」のある症状に悩まされていた両親の苦悩の日々、全て涙なしで見られません。
最終章、マスクがびしょびしょになるぐらい泣きました。
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最後に
はてなブログのお題による「読書感想文」でしたが、思わぬ大作と巡り合うことができました。なんとなく、映画化されるのではないかなと思います。
その時は、スクリーンにて号泣したいと思います。笑
あかん、思い出すだけで泣けてくる。この記事を書いてて思い出し泣きすることが多々ありました。
ぜひとも動物好きの皆様、感動物語が好きな皆様に読んでいただきたい、そんな一冊でした。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
PS 多聞は「光」に会いたかっただけじゃなくて、「光」と両親に起こり得ることがわかってて、会いにきたということもあると思う。やっぱり「守護神」だ!